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東京 貸店舗の活性化と
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コンバージョンの必要性

日本でのコンバージョンの可能性に最初に注目したのは、
減少する新築物件に代わる業務を探していたゼネコンだと言われています。
一方、収益力の下がった物件を持つオーナーや、
利払いが止まっている融資案件の再生を望む銀行もこれに関心を寄せはじめています。

また、デベロッパーにとってみれば、これまで手がけてこなかった
都心部の賃貸事業に進出する好機であり、
投資家にとっては、新築に比べて短期間でリターンを得られる投資対象であります。
これがコンバージョンを取り巻く大まかな状況と言っていいと思います。

しかし、こうした役者が揃っている割には実際の事業の進展は比較的ゆっくりです。

産官学によるコンバージョン研究会の代表を務める東京大学大学院助教授の村松秀一氏によると、
今後コンバージョン進展のカギを握るのは、住空間の企画を行う人材の活躍である、といわれています。

生活様式を踏まえた上で空間プランニングを行い、
さらにそれを事業計画としてまとめ上げる
存在なくしてコンバージョンは成立しないと思います。

これまでのところ用途転換に伴うビルの構造や設備といった
技術面ばかりが話題になることが多かったが、
いよいよ次のステップが重視されてきたということでしょう。

実のところ、既存の建物を利用しつつ、
新築以上に魅力的な空間を作り出すことはそう簡単ではないのです。

そこでは法令や立地条件他、数々の制約を受け入れつつ、
コンバージョンならではの特徴を打ち出すことのできる新しいプランの存在が重要です。

コンバージョンの先駆者

建築のコンバージョンは、石つくりのヨーロッパでは昔から普通に行われていました。
ヨーロッパの建物の寿命は一般的に、それを利用する人々の暮らしや社会が変わるスパンより長い。
人や社会構造が変われば、当然、建物の使い方を変えて再利用し続けてきました。

パリのオルセー美術館のように、歴史ある駅舎を美術館として再生したり、
ロンドンのテート・モダンのように、火力発電所の建物をやはり美術館に変えたなどは、
わかりやすいコンバージョンの例といえます。
なかにはユニークなものとして、オーストリアのウィーンにあるガスタンクを、
商業施設や住居などに用途変更した例もあります。

欧州ではコンバージョンの手法は広く社会に認知されていることが、
これらの例からもよくわかるでしょう。

戦後の日本では、早期な復興のために工業製品として大量生産された、
木造パネル建築方式であり、寿命が短かったため、
戦後の日本ではコンバージョンの考え方は一般的ではありませんでした。

しかし現在は周知の通り、高耐久性のある、
鉄筋コンクリートを使った建築が一般的になってきたため、
コンバージョンの実施環境は整ってきています。

また、従来のスクラップ&ビルドによる建築がもたらす
環境への高い負荷が大きな問題となってきています。
これを減らす方法としてもコンバージョンの有効性が
指摘されるようになっているのです。


■日本のリノベーションの一例としては次のような物が有ります。
・倉庫から複合商業施設に  ・銭湯からカフェバーに  ・オフィスビルから分譲マンションに
・学校から老人ホームに    ・教会からレストランに  ・酒蔵からライブハウスに


■外国のリノベーションの一例としては次のような物が有ります。

BEFORE AFTER 外国のコンバージョンのケース
OXO Tower(1993)、設計(Lifschutz Davidson Limited) 郵便集配センターを店舗、賃貸住宅等にコンバージョンした。最上階にはハービー・ニコルスが経営する高級レストランが入っている。
Tate Gallery of Modern Art(2000)、設計(Herzog & de MeuronArchitekten) 1963年に完成した火力発電所を、外壁を残し、内部に新しい構造体を挿入することで美術館にコンバージョンしている。
Thames Reach Housing(1987)、設計(Richard Rogers) レンガ造の倉庫をRogers Officeと集合住宅にコンバージョンしている。
Butlers Wharf(1988)、設計(CD Partnership) タワーブリッジ南東部の倉庫街の再開発をコンランが手がけた。高級住宅、ギャラリー、レストラン等にコンバージョンしている。

貸店舗 東京 コンバージョンの実例

・倉庫から複合商業施設に

・銭湯からカフェバーに

・教会からレストランに

・学校から老人ホームに

・オフィスビルから分譲マンションに

・酒蔵からライブハウスに
 @オフィスビルから高級マンションに  Aオフィスビルから高級マンションに

貸店舗 東京のコンバージョンの今後

 コンバージョンは、既存建物の有効利用や地域活性への有効な手法の一つと見られ多様なライフスタイルに適合した都心居住の促進に繋がるほか、環境に配慮した循環型社会を実現していく上でも優れた手法である。

 しかし、法律、税制、技術面などで様々な課題や制約があるため、我が国では普及が遅れており、政策的な支援策の必要性が認識され始めており、行政による建築基準法などの規制緩和や補助金対象など、利用に向けた促進策も期待され、今後の動向が注目されます。

 特に東京の中では、老朽化した業務用ビルが密集し、オフィス・商店・住民の退出が相乗的に発生している地区があるが、こうした地区は都心に近く、コンバージョンに適した中小ビルの集積地とも言える。

 健全なコミュニティの維持・再生は、重要な政策課題であり、コンバージョンは処方箋の一つを示しており、一層の促進策が求められている。 今後、コミュニティの再生を目標にコンバージョンを進展させていくためには、資金調達の円滑化策など公的主体の積極的な関与が必要であろうし、住民と公的主体の間に立つNPOの役割も大いに期待される。

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